平成15年1月1日記
「昭和三十年代って、ものがない時代だったんだって?」
家内がテレビを見ながら、半信半疑な様子で問いかけてきました。どうも、昭和三十年代の日本の生活を復元したテーマパークが人気を呼び、入場者が増えているというニュースを見て言っているらしいのです。
昭和32年頃の豊かな生活は、「テレビ、冷蔵庫、洗濯機」の「三種の神器」があることで、昭和41年頃は「car(自動車)、cooler(クーラー)、colorTV(カラーテレビ)」の「3c」のあることと言われたそうです。逆に言えば、それぞれの時代には、一般家庭ではなかなか手に入らないものだったのだと思います。
現在から見れば当然のごとくあるものばかり、何台もある家がざらですし、同じものでもその性能には雲泥の差があります。何と日本国民はお金持ちになったことでしょう。けれども、不平不満が絶えません。どうしてなのでしょうか。なぜ、昭和三十年代の生活を復元したテーマパークが人気なのでしょう。そこへ行くと、何となく豊かな幸せな気分になれるというのが理由のようです。ものがなかったのに豊かだったとはどういうことでしょうか。
家に帰ればお母さんがいて、明るい声で迎えてくれた。チョコレートやバナナ、ケーキなどはたまにしか口に入らなかったけれど、手作りの味噌を付けたおにぎりや焼きおにぎりなどのおやつがあった。近所の友だちや、上級生たちと缶蹴り、ビー玉、パッチ、野球など、日の暮れるまで遊べてほんとうに楽しかった。
ものがなかったことで、もののありがたみを感じることができ、右肩上がりに生活がよくなっていく希望があったような気がします。また、冠婚葬祭の手伝いなどで地域の共同体もしっかりと機能していたのではないでしょうか。時間と場所、人間関係が豊かにあったような気がします。
現在はどうでしょうか。ゆっくりと考えてみたいものです。